子猫がやってくる
子猫を迎える前に、新しい家族の一員を迎える準備をしましょう。ここでは子猫を迎えるにあたって大切なこと、注意点、子猫にできるだけストレスなく慣れさせる方法をご紹介します。
子猫の新しい家の準備
子猫は非常に好奇心が強く、遊ぶのが大好きです。自分にとって危険なことについて、全く心配しません。そのため、子猫が引っ越してくる前に、家の中を徹底的にチェックする必要があります。
そこらへんに転がっているピンやクリップ、先の尖ったもの、毛糸玉やリボン、開封済みのビニール袋、化学薬品の入ったもの、お線香や蝋燭、アロマなど、危険のもとになりそうなものはすべて取り除いてください。
ポテトチップスやチョコレートなどのスナック菓子はテーブルから遠ざけて、戸棚や冷蔵庫にしまいましょう。勿論食器もです。子猫はよじ登るのが大好きなので、テーブルクロスにつかまってテーブルの上にあるものを引っ張り倒してしまう可能性があります。
観葉植物は、猫にとって毒があるかどうかを調べ、毒がある場合は子猫の手の届かないところに置きましょう。子猫は土を掘るのが大好きです。床に置いてある観葉植物は違う部屋に置きましょう。
子猫のための基本アイテム
子猫が家に馴染みやすくするために、子猫があなたの家に引っ越してくるときには、すべての必須アイテムや設備がすでに整っている必要があります。忘れ物がないように、チェックリストを作っておくとよいでしょう。
子猫用品を買い物に行く前に、ブリーダーや動物保護施設に、どんなフードや猫砂を使っているか聞いておくと、子猫が何に慣れているかがわかります。できれば、まったく同じものを買ってあげて下さい。猫はフードや猫砂の匂いや色にとても敏感です。家に慣れるまでの当分の間は、フードや猫砂を変えてはいけません。
ただでさえ環境の変化で体調を崩しやすい時に、新しいフードに体が慣れず下痢をしたり、起こさなくても良い余計な体調不良を引き起こす可能性があります。
猫トイレを選ぶときにも注意が必要です。子猫はごく浅いトイレにしか慣れていないかもしれません。縁が高かったり、カバーがあったり、あるいは「入り口のドア」があったりすると、子猫がトイレと認識できず、家の中の別の場所を使うようになる可能性があります。慣れるまでは縁が浅く、子猫でもわかりやすい、子猫用のトイレを使ってあげましょう。
チェックリストには、フード、トイレトレー、トイレのほかに、柔らかくて快適な寝床、移動用の箱、おやつ、たくさんのおもちゃを入れて下さい。子猫が遊べるものはいくらあっても足りませんが、とはいえいっきに全部与えるのはやめましょう。
また、子猫がひっかき傷をつけられるようなものも用意してあげましょう。最も良いのはキャットタワーを準備してあげることです。キャットタワーは、”ホーム”として猫の中心になることが多いです。キャットタワーから部屋や人を一望できますし、くつろぐこともでき、爪も研げ、登ったり降りたりと猫にとって重要な上下運動もできます。注意点として、子猫が幼いうちはまだ落下時の体勢をうまく整えられません。子猫のうちはあまり高くない、万が一落ちても大丈夫な低めのキャットタワーを選んであげましょう。
子猫を引き取るときに注意することは?
新しく子猫を迎える時は、キャリーが理想的です。子猫を迎える数日前に、ブリーダーや保護団体に柔らかい毛布やタオルを渡し、子猫の母猫や兄弟猫と接触させるようにお願いしましょう。そして、子猫を引き取るときにこの毛布をキャリーに入れてください。嗅ぎ慣れたにおいは移動中や新しい家で子猫を落ち着かせる効果があります。
子猫を一緒に迎えに来てくれる人がいれば、車で移動中、どちらかが子猫の面倒を見ながら家に帰ることができます。
不必要に子猫を怖がらせないように、車はスピードを出しすぎないように、安全運転で帰宅しましょう。ティッシュやトイレットペーパーを持っていくことも忘れずに。子猫が不安のあまり車内で吐いてしまうかもしれません。
新しい家での最初の数時間
車での移動後、子猫が初めてのお家で動揺するのは、普通のことです。母親と兄弟から離れたばかりで、ストレスのかかる”長い旅”を経て、見知らぬ人に囲まれているのですから…。来たばかりの子猫に必要なのは、十分な休息です。
家族や近所の人に猫を見せびらかすようなことは避け、覗き込むようなこともやめましょう。車から降りたら家に入り、新しい家族の一員である子猫のために、静かな場所にキャリーを置いて落ち着かせてあげてください。
赤ちゃんや遊び盛りの子供がいたり、先住犬や猫がいたりする場合は、新しく迎えた子猫は別の部屋でしばらく飼うのが一番です。
部屋の静かな場所にキャリーをそっと置き、キャリーのドアを開けた後、キャリーから離れてください。子猫を引っ張ったり、箱から誘い出したりしてはいけません。子猫が落ち着きてきたら、新しい環境を確認にしようと、自ら出てくるはずです。
子猫が箱から出てくるまでには、数分から1時間以上かかることもあります。これは、特に子猫の性格と、それまでの人間との経験によるところが大きいです。最初は出てこないかもしれませんが、しばらくすると好奇心が勝り、箱から出てくるようになります。
子猫が出てきても、急に動いたりしてはいけません。子猫はまず周囲の匂いを嗅ぎたがるか、それともすぐにあなたと接触したがるか、するはずです。子猫に優しく話しかけ、様子を見ましょう。
もし子猫があなたについてくるようなら、一緒にキッチンへ向かうのも良いでしょう。水飲み用のボウルはすでに用意してあるでしょうから、今度は子猫にフードをあげることで、子猫にフードをあげつつ、環境に慣れさせることができます。
ソファや食器棚の下に隠れて何時間も出てこない場合は、フードと水を子猫が隠れている前に置き、簡単に手が届くようにしてあげましょう。暫くすると匂いに負けて出てきてしまうはずです。
子猫の時期のフードは、これからの一生の体の基礎を作る非常に大切な食事です。フードは必ず高品質な子猫用フードを選ぶようにしましょう。
新しい環境に慣れるまで
新しい環境へ慣れるまでの時期がどのくらい続くかは、さまざまな要因によって変わります。
子猫を2匹飼う場合は、兄弟や親しい友だちがいると子猫に安心感を与えられるので、順応するまでの期間は短くなるかもしれません。一緒にいれば、子猫は新しい環境を探検したり、キャットツリーに登ったり、トイレトレーを使ったりする勇気を出しやすくなります。子猫の一方は常にもう一方から学び、一緒に遊んだり、追いかけっこを楽しんだりできるからです。
子猫が1匹で飼う場合は、もう少し時間をかける必要があります。あなたが子猫の主な遊び相手になるのです。子猫を隠れ家からおびき出すには、ねこじゃらしが効果的です。暫くすると、子猫が新しい環境にどんどん慣れていくのがわかるでしょう。時間通りに餌を食べ、トイレで排泄をし、あなたになでられるのを許し、時間が経つにつれ、どんどん大胆で自信に満ち溢れた顔に変わっていくはずです。
アドバイス:先住犬や猫がいるために、子猫を別の部屋で飼うことにした場合は、まずドアをしっかり閉めておくこと。子猫に構う時、人が二人いれば、それぞれが先住ペット、子猫の世話をすることができます。先住犬がいる場合、安全のため犬をリードでつないでおくことをお勧めします。
子猫を外に出すべきか?
猫にとって外は病気や怪我のリスクがあるだけではなく、交通事故や虐待にあってしまう可能性もある危険な場所です。猫を外に出す場合は必ずハーネスやリードをし、絶対に逃さないようにして下さい。
猫を迎えるということは、その猫の一生を見る責任を持つということです。猫が一生を終える最後のその時まで、豊かに暮らせる環境を整え続けてあげましょう。
アドバイス:子猫が新しい家や周りの人に慣れるまで数週間待つ必要があります。また、迎い入れた際は必ずかかりつけの動物病院を見つけて下さい。必要に応じてワクチン接種や寄生虫対策などの予防措置も行いましょう。複数匹飼育する場合、必要に応じて避妊・去勢手術も行いましょう。
出典 アニモンダ社ドイツWEB