子犬の噛み癖をやめさせたい

子犬の噛み癖をやめさせたい

子犬があなたの手や物を噛んだりした場合は、すぐに止めさせて、ラインを越えてはいけないことを子犬に教えます。

生後間もない頃の噛みつき経験

生後4週間から子犬はますます活発になり、周囲を探索するようになります。それに伴い、兄弟にも興味を示すようになり、兄弟と一緒の時間が楽しいことだとすぐに気付きます。寝ている時間、食べている時間以外は、兄弟姉妹と疲れ果てるほど遊ぶのが日課となり、中でも追いかけっこや、遊びのケンカは特に人気の遊びになっていきます。
時には、遊びの中で相手を噛んだり、噛みつかれることもあるでしょう。最初の頃は子犬の力は弱く、歯も生え始めたばかりですが、すぐに非常に鋭い歯になります。子犬は歯の痛みを自分の体で経験するだけでなく、兄弟を強く噛んだときの反応も知ることになります。
噛まれると痛みで雄たけびを上げ、ほとんどの場合は遊びが終了になってしまいます。そうなると、せっかく遊びたい気分のときに非常にイライラとしてしまいます。そのため、子犬は時間が経つにつれ早々に遊びが中止にならないように我慢することを学びます。

かみつき防止学習の必要性

子犬は兄弟に対する「噛みつきの我慢」を自然に身につけなければなりませんが、これはもちろん、一緒に暮らす人間に対しても同様です。そして「噛みつきの我慢」は生まれつき覚えているものではなく、経験に基づいて時間をかけて学んでいく必要があります。
例えば、幼い頃に家族から引き離されたために噛みつきを我慢する経験をしていない犬は、他の犬との関係の中で自分のポジションを正しく判断することができません。また、犬舎で育てられ、人との接触が少なかった場合も同様です。だからこそ、経験豊富なブリーダーから犬を購入することが重要になっていきます。ブリーダーは、子犬が新しい家に引っ越すまでの間に、さまざまな状況や音に慣れさせます。掃除機をかける音、車を運転する音、ラジオやテレビの音など、日常的な音に慣れさせるのです。さらに、幼児からお年寄りまで、さまざまな人と接触することも早い段階でしつけておく必要があります。

子犬が何をしてもいいの?

責任あるブリーダーから引き取った子犬でも、新しい家では多くのことを学ばなければなりません。その中には、「噛みつきの我慢」も含まれています。子犬はすでにある程度身につけていると思いますが、これからさらに訓練していく必要があります。もし急に「何を噛んでいい」、「飼い主の手を噛んでもいい」なんてことになったら、それまで学んだことが全て水の泡になってしまうからです。
また、今は噛まれて平気でも甘やかしすぎてはいけません。犬が大きくになってから「やっぱりやめさせよう」と思っても、これまで慣れ親しんだ「噛む」という行動をやめさせるのは難しいか、不可能だからです。

子犬の噛み癖を直す

子犬がいつでも、なんでも噛んでしまう場合は、すぐに明確なルールを決めてください。そして、家族全員がルールに従うことが大切です。犬は、なぜ主人の手は噛んでいいのに、子どもの手は噛んではいけないのか理解できません。また、噛んではいけない新しいスリッパと噛んでもいい古いスリッパの区別もつきません。そこで、噛んでいい物はおもちゃだけにするのがベストでしょう。それ以外のものはすべて禁止する。このことは子犬に最初からはっきりと犬に伝えておくべきです。
子犬があなたのズボンやスリッパ、手などを噛んだ場合はすぐに反応して、いけないことだとはっきりと伝えなければなりません。「ダメ!」「やめて!」とはっきり言い、すぐに遊びを中止させます。手を噛まれた場合は、「痛い!」と声を上げ、痛かったということをはっきりと伝え、背中を向けて離れましょう。はっきりとした表現をするために、しばらく部屋を離れる飼い主もいます。その際、子犬に同情したり、説得するよう話しながら、数秒間だけ遊びを中断するというやり方はやめたほうがいいでしょう。犬に誤解されたり、まったく理解されないかもしれないからです。

子犬のしつけ

最初からしっかりとしたルールを決めておく必要がありますが、ちょっとしたお仕置き以上のものはしてはいけません。犬を叩いたり、怒鳴ったりすることは犬にとって非常にマイナスであり、パートナーとしての関係にも悪影響を及ぼします。犬が正しい行動をしたら、たくさん褒めてあげることが大切です。一方、好ましくない行動は簡単に声で注意し、その後しばらく犬を無視するべきです。家族全員がこのルールをしっかり守っていれば、成功はすぐに実感できるはずです。もしそうでなければ、迷わず資格のあるドッグトレーナーを訪ねてみましょう。犬が『望ましくない』行動をする期間が長ければ長いほど、その行動を止めさせるのは難しくなります。

出典 アニモンダ社ドイツWEB